映画

卒展2010

2011 年 3 月 6 日

去る3月4日に、東北芸術工科大学映像学科学科長でもある映画監督の根岸吉太郎さんら教授陣が、姉妹校でもある本学映画学科を訪れ、卒展を内覧して頂きました。それに併せて、イベント『学科長対談』も催され、多くのお客様に御来場頂きました。
まず『学科長対談:映画監督が語る学生映画のこれから』と題し、根岸吉太郎監督と、本学科長林海象監督による対談が行われました。
 もともと旧知の仲でもあるお二人。呑み仲間でもあり、今は学科長仲間(笑)とおっしゃっていました。

根岸監督 京造の受賞作品3作品みせてもらいました。みんな暗いね。しっかり暗い物を真正面からやっている。エンターティメント性があるかと思いきや、なんか意外でした。「京都」という土地が持っているのかもしれないし、世代がもってるものもあるのかも。次に生きて行く生き方を探してるような印象を受けた。

海象監督 今年は、映画学科にとって初めての卒業生。「映画なんか教えられるわけがない」というキャッチフレーズで始めたが、そういうスタンスではあまりにも無責任なので(笑)… 、ただ方法論ばかり教えると映画が死んでしまう。映画は生き物性があるので、つくってみないとわからない。1人1人違う物がつくれると思うから、方向性を指し示すのは危険。


根岸監督 東北芸術工科大学の映像学科はまだ2年しかたってないので、作品がまだ産まれていないが、学生がオリジナリティをどのくらいもてるかっていうのが今後の勝負。

海象監督 映画学科は最初、映画をつくる筋力をつければいいかなと思ったけど、次は知的なレベルを探求しないといけない。ものを考えない肉体はかなり危険。

根岸監督 映画監督は、教育者としての資質を必ず持ってる。常に部下を教えているし。そういう意味で、学生と教師との関係は、それと近いんだなと感じる。

続いて……..

『東北芸術工科大学映像学科VS京都造形芸術大学映画学科』と題し、東北芸術工科大学の教授陣〜根岸吉太郎さん(映画監督)、加藤到さん(映像作家)、加藤正人さん(脚本家)、岩井天志さん(映像ディレクター)、前田哲さん(映画監督)と、本学科からは、海象監督と山田慧伍(『激情とビードロ』監督)、齊藤進之介(『ピカドン2』監督)、小川彩子(『幸せ最高ありがとうマジで!』監督)が登壇し、講評を交えて対談は進みました。


根岸監督 録音&カメラすばらしい、大変なレベルだなぁと。ただやっぱりシナリオの段階で詰めていれば、伝えられるものが伝えられるなと思った。時間切れが否めない。

加藤到さん 造形大はいい意味で不健康な作品が多い。山形は(東北芸工大)土地柄もあるのか、病的な人があまり登場しない。

加藤正人さん 3本ともおもしろく見れる。僕は、明るい物より暗い物がすきなので(笑)、好感がもてるんですけど。ただ普通じゃない面白さを追いかけて行きすぎると現実が離れていってしまい、逃げている気がするので、そういう怖さや危うさもある。もう少し現実的なものも追求していってもよいと思う。


岩井天志さん 全体的に、カメラなどの技術はすばらしいが、オリジナリティには欠ける。音楽の使い方の工夫も欲しい。

前田哲さん まず思ったのは、長い。ポスプロの段階でも、切れると思う箇所が何箇所かある。「激情….」の出だしは、正直秀逸だと驚いた。ただそこからが長いなぁと思ってしまった。3本ともなんか物足りない。何かを破壊するようなものを学生のうちにつくったほうがいいのでは。学生のうちにどんどん失敗した方がいい。

海象監督 技術が褒められるってことは、そこしか褒めるところがないという事。けなされているって思った方がいい。

山田 皆さん技術的に、褒めて下さるけど、僕自身エモーショナル的なものに対しての弱さを感じていて、あと演出の弱さもあります。ただ学長賞と千住賞頂けたのは、正直嬉しいですし、それは一緒につくった皆のおかげだと思います。

齊藤 完成して、海象さんに見せた時に、コメディなのに絶望的におもしろくないと感じたが、4回生全員に見せると、なんだか笑いがおきて、救われました。見せないとわからないもんだなぁと。

小川 暴力的な部分と、わかりやすさでいくのかを迷いながらつくっていました。結果、おさまってしまった感はある。

– – – それぞれの映像に関わるプロ達からの一言一言を、登壇した学生達はじめ、他の学生も噛み締めていた様子でした。

(室)

Filed under: 卒展2010 — 映画学科 11:59 PM

2011 年 3 月 1 日

 来る3月4日(金)に、東北芸術工科大学映像学科学科長でもある映画監督の根岸吉太郎さんと、本学科長林海象監督による『学科長対談』を行います。是非御来場下さい!!

3月4日(金) 高原校舎Aスタジオにて 17:00〜17:50

『学科長対談:映画監督が語る学生映画のこれから』

ーゲストー
根岸吉太郎 (東北芸術工科大学映像学科学科長/「ヴィヨンの妻」など)

林海象

(本学映画学科学科長/「THE CODE/暗号」、「探偵事務所5」シリーズ) 18:00〜19:00(※終了時間が延びる場合もあります)

『東北芸術工科大学映像学科VS京都造形芸術大学映画学科』

本学映画学科の卒業制作作品の中から学長賞候補4作品の話題を中心に、互いの学校の作品を教授と学生で対談します。

ーゲストー

根岸吉太郎 (東北芸術工科大学映像学科学科長/「ヴィヨンの妻」など)

加藤到

(東北芸術工科大学映像学科学科教授/映像作家)

加藤正人

(東北芸術工科大学映像学科学科教授/脚本家(「クライマーズ・ハイ」「孤高のメス」)

岩井天志

(東北芸術工科大学映像学科学科准教授/映像ディレクター)

前田哲

(東北芸術工科大学映像学科学科準教授/映画監督・脚本(「ブタがいた教室」、「猿ロックTHE MOVIE」)

Filed under: news,卒展2010 — 映画学科 1:21 PM

2011 年 2 月 26 日

2010年度卒業制作展に行ってきました。 他の学科は、殆ど瓜生山キャンパスでの展示ですが、

映画学科は高原キャンパスで上映、展示をしています!

(※人間館B1F映像ホールでもスクリーンと展示ブースを設けていますので、高原までいくお時間のない方は映像ホールへ!)

高原キャンパス正面玄関。今年は、学科長林海象監督の顔がアイコンとして、いろんなところに出没しています。

こちらは、高原校舎Bスタジオ。高原校舎内での案内所です。脚本作品、論文作品などはこちらのソファでじっくりお読み頂けます。

「スクリーン1」高原校舎Aスタジオ

「スクリーン2」高原校舎試写室

「スクリーン3」高原校舎TN22

「映像ホール」人間館B1F
 「映像ホール」横にも、展示ブース併設。各作品のポスターの展示や、論文、脚本もお読み頂けます。 – – –

他の学科の展示は、殆どこの瓜生山キャンパス。「映像ホール」は、この建物の地下1階にあります。

この様なインフォメーションのブースが、各所に設置されております。お気軽にお尋ね下さい。 全展示は3月6日(日)までです。お見逃しなく!! – – – おまけ

先日、千住学長が、映画学科の展示を内覧されたときの様子が、卒業制作ブログに掲載されています↓

http://ameblo.jp/kyouzou-eiga/entry-10812567035.html#main

(室)

Filed under: 卒展2010 — 映画学科 11:20 AM

2/25(金)映像ホールにて、千住賞と学長賞のW受賞を果たした山田慧伍監督作品『激情とビードロ』のトークセッションと上映を行いました。
 トークは『激情とビードロ』監督の山田慧伍君、伊藤高志先生(本学科教授、実験映像作家)です。

伊藤先生 山田自身の強い思いがいろんな登場人物に反映されてて、おもしろい。あと、合評の時に林海象さんも言ってたけど「出だしの15分がすごい」って言ってましたね。確かに始まってからのシーンの強烈さというか、一体この映画は私たちをどこへ連れていってくれるんだろうという期待感やわくわく感が確実にありますね。でも途中だれる部分があったのだけど、合評のときから再編集し直して、凝縮して鮮烈な感じが強くなったと思います。ラストシーンは特に、あるカタルシスを感じさせるようなとてもいいシーンで終わってます。

そこで伊藤先生から山田君に「激情とビードロ」とはどういう意味か質問。

山田 主人公が対峙する鏡というモチーフがあるんですけど、「ビードロ鏡」という鏡からとっていて、主人公の中にある激情というキーワードをタイトルにしました。

伊藤先生 カメラがすごくいいんですよね。そういう映像の選択というか、構図が絵画的ですばらしいんだけど、それは山田自身が考えたの?


山田 最初の段階からメンバーと強烈なものにしたいと考えて、はじめのシーンだけで、主人公のバックグラウンドをみせたいなぁと。そのモチーフに絵画の「ムンク」等を意識しました。

伊藤先生 僕は、最近小津安二郎にものすごくはまってるんだけど、小津自身もものすごく絵画がすきでね、彼の独特の構図って絵画の影響がものすごくあるんだよね。いまの話を聞いてそれを思い出したんですけどね。だからこの「激情…..」ってとても絵画的なんですよね。

その辺りのセンスってものすごくあるなぁと感心したんだけど、それは山田が絵づくりをしているの?

山田 カメラマンの光来出佳菜さんと1対1でずっと話し合って決めていました。(光来出さんは写真左↓)


伊藤先生 カメラものすごくよかったよ! コンペも狙えるんじゃないかと思います。 – – – – トークのあとは、映画本編が上映されました。 急遽決まったイベントでしたが、沢山の方に御来場頂きました。誠にありがとうございます! 来場者の中には懐かしい面々も….

以前映画学科で写真を教えていた矢島先生(左)と、映像舞台卒業生で「激情…..」にも出演している竹市さん。

学内でこのイベント宣伝中の齊藤君(「ピカドン2」監督)、と「ピカドン2」の衣装を来た中村君

最後に映画学科のボード前にて、監督の山田慧伍君。 どうもおめでとうございます!! – – –

『激情とビードロ』予告編

(室)

Filed under: news,卒展2010,学生活躍中 — 映画学科 2:06 AM

2011 年 2 月 25 日

卒業制作作品の賞が決定いたしました!

千住賞&学長賞のW受賞! 劇映画『激情とビードロ』監督:山田慧伍

学科長賞

論文『神代映画における歌とつぶやき:その機能と変遷について』論文:笠松勇介

瓜生山賞

『ピカドン2』監督:齊藤進之介 『幸せ最高ありがとうマジで!』監督:小川彩子

学科賞

劇映画『ミチクサ』監督:酒井基行 劇映画『セックスしよう』監督:張国俊 ドキュメンタリー『Walk On Air』監督:渡部大河、阿久澤将史 脚本『僕の死にそうなばあちゃん』脚本:西谷友里

実験映画『ありふれた日』監督:糸井佳奈子、岩本麻依子、矢澤まどか、小熊江理子

本日、千住賞と学長賞のW受賞を果たした山田慧伍監督作品『激情とビードロ』の上映とトークセッションを行います!

『激情とビードロ』W受賞記念イベント 2月25日(金) 本学人間館B1F映像ホール 18:20〜18:30 トークセッション  『激情とビードロ』監督:山田慧伍、伊藤高志(本学科教授、実験映像作家)

18:30〜19:30『激情とビードロ』上映

Filed under: news,卒展2010 — 映画学科 1:14 PM

2011 年 2 月 23 日

いよいよ明日24日(木)より卒業制作展が始まります!

上映プログラムが発表されました!

(Clickで拡大↓)

京都造形芸術大学映画学科卒業制作展
2月24日(木)〜3月6日(日)
時間 | 10:00〜18:00(金曜日は20:00まで)
場所 | ●京都造形芸術大学高原校舎<Googlemap>    ※瓜生山キャンパスと場所が違いますので御注意下さい。    ●京都造形芸術大学人間館B1F映像ホール

イベント | 3月4日(金)17時〜 高原校舎Aスタジオにて

『学科長対談:映画監督が語る学生映画のこれから』

ゲスト | 根岸吉太郎監督(東北芸術工科大学映像学科学科長、「ヴィヨンの妻」、「遠雷」など)、林海象監督(本学映画学科学科長)

映画学科卒業制作展ブログ

http://ameblo.jp/kyouzou-eiga/

2010年度京都造形芸術大学卒業制作展・論文発表会

http://kuad-the-home.com/home/

Filed under: news,卒展2010,学生活躍中 — 映画学科 5:15 PM

2011 年 2 月 18 日

ついに今年、映画学科は4年目を迎え、今回は映画学科初めての卒業制作展です。 学生それぞれが映画・映像への想いを、劇映画を始めとして、ドキュメンタリー・ アニメーション・ 実験映画・ 脚本・ 論文などの違う形で表現し、映画学科で過ごした4年間の集大成を作り上げました。日本の映画の都『京都』という土地から、京都造形芸術大学映画学科第1期生がみせる、学生映画・自主映画のこれからを、その目で確かめてください。

京都造形芸術大学映画学科卒業制作展

2月24日(木)〜3月6日(日)
時間 | 10:00〜18:00(金曜日は20:00まで)
場所 | ●京都造形芸術大学高原校舎<Googlemap>    ※瓜生山キャンパスと場所が違いますので御注意下さい。    ●京都造形芸術大学人間館B1F映像ホール

イベント | 3月4日(金)17時〜 高原校舎Aスタジオにて

『学科長対談:映画監督が語る学生映画のこれから』

ゲスト | 根岸吉太郎監督(東北芸術工科大学映像学科学科長、「ヴィヨンの妻」、「遠雷」など)、林海象監督(本学映画学科学科長)

– – –

【映画学科作品情報】

劇映画 『激情とビードロ』/監督:山田慧伍 『自殺倶楽部』/監督:生沼紗織 『幸せ最高ありがとうマジで!』/監督:小川彩子 『劇シネ 祭りよ、今宵だけは哀しげに -銀河鉄道と夜-』/代表:小倉友里絵 『Rabbit hutchの住人』/監督:落合明子 『ピカドン2』/監督:齊藤進之介 『ミチクサ』/監督:酒井基行 『うつろう』/監督:西池公寛 『セックスしよう』/監督:張国俊 『暁のソラへ』/監督:森本望友

実験映画・アニメーション

『あたらしい私』/監督:中村友磨 『ありふれた日』/監督:小熊江理子、岩本麻依子、糸井佳奈子、矢澤まどか 『雨の海』/監督:森岡唯

ドキュメンタリー

『夢中につき・・・』/監督:伊藤菜月子、澤井克幸 『大パパ』/監督:三野龍一 『泉南エレジー・北摂ラプソディ』/監督:本田早紀 『Walk on Air』/監督:阿久澤将史、渡部大河

論文

『映画の基本演技についての考察』/神戸祐輔 『神代映画における歌とつぶやき:その機能と変遷について』/笠松勇介 『1950年代とスクリーン増から考察する映画興業と観客の変遷』/前田祐介 『ディズニーの短編アニメーションにおける乗り物論』/南野直樹

脚本

『Cut』/斎木一成 『人狼鎮魂』『ザ・SEマン、ただただ嬲る』/山本明 『HARAMACHI DEAD RACE』/松橋悠 『ぼくの死にそうなばあちゃん』/西谷友里 『The picture book for someone』/尾畠萌

映画学科卒業制作展ブログ

http://ameblo.jp/kyouzou-eiga/

2010年度京都造形芸術大学卒業制作展・論文発表会

http://kuad-the-home.com/home/

Filed under: 卒展2010 — 映画学科 7:50 PM