映画

インタビュー

2010 年 7 月 29 日

来月7、8日に第2回公演「ゴジラ」の行われる「レジェンド・オブ・企画」。 そのレジェンド・オブ・企画 第1回公演で座長、第2回公演では企画・制作を務め、さらに、劇団にんげん福袋座長、「黄金花」出演…と活躍し、映画学科優秀学生賞も受賞した澤井克幸くん(4回生)にお話を伺いました。

─「レジェンド・オブ・企画について聞かせてください。 先生たちに次の代に繋いでいける何かを残してほしいって言われて、僕が「福袋※」のメンバー以外で全学年に募集をかけて公演したのが、「レジェンド・オブ・企画」の第1回です。映画学科にずっと代継ぎで残していける劇団を作りたかったので、演出も代替わりしていくというか、1回目は僕で、2回目は水上さんなんです。出演者やスタッフも毎回オーディションも決めていって。三回目からは僕は手を出さないつもりです。 映画学科では色んな公演をやっていますけど、2回以上続いた劇団って、今のところ「福袋」しかないんですよ。 舞台公演って時間も結構とられますし、色々しんどいんです。そんななかで「福袋」は毎回ちゃんと収入もあって5回まで続いてきてる。そのあたりも評価されて、この前、賞(最優秀学生賞)をいただいたんだと思います。 続けていくことが一番難しいことなので。続けていくなかで学んでいくことができるといいなと思って「レジェンド・オブ・企画」を作ったんです。

全学年に募集をかけたということですが、全学年を混ぜるということもコンセプトのひとつだったんですか?

やっぱり、1回生だけで芝居するより、うまいやつと芝居したほうがうまくなるんで、いい感じに混ざればいいなと思っていました。

今回、「姫オペラ」でかなり実力をつけた齋藤ひと美や、かなり演技力のある鳥居功太郎も参加していて、そんなやつらと全くできないやつが一緒にやってると、目に見えてメキメキ成長していくんですよ。上のやつも引っ張っていくことで、メキメキ成長してる。

どうなるんだと思ってたんですけど、結果的にすごく良かったですね。こんなにうまくいくとは思ってなかったです。

2回目の演出はなぜ水上さんに?

前回の「熱海殺人事件」は4人だったんですけど、今回は19人と大人数なんですね。僕は大人数の舞台の演出はしたことがないんで、水上さんの隣について勉強させてもらおうと思って。今回は企画者、プロデューサーとして参加して、芝居以外のことを全部用意するっていうことをしています。

いつも稽古期間が短いですよね。

「福袋」の立ち上げ公演は、準備期間が6ヶ月くらいあったんです。そうしたらダラけてしまったんですね。だから2回目からは短期集中で。がっと3週間だけはバイトもなにも入れずにきっちりやって終わろう、と。レジェンドも稽古が始まったのは7月1日からなんで、稽古期間は1ヶ月ちょっとくらい。それの連続ですね。

みんな辛いとは思いますよ。実際体調崩すやつもいるし。 でもこのペースでやってけないと、外に出たときにやっていけないんじゃないかと。自分のために自分の時間をさくっていうことを、大学にいる間からちゃんと見につけておかないと、外に出ても使い物にならない。「福袋」のメンバーも最近は「このペースがいいよ」って言いますよ。 今はとにかく頭でっかちになる前に、やってやってやってやって経験値をためることが大事かなと。

澤井くんたちの学年が、映画学科最初の卒業生になりますね。

「福袋」は年明け2月か3月にスタジオ21(本大学内小劇場)で卒業公演をしようかと計画しています。 第5回公演が高原(高原校舎内スタジオ)の機材で出来る限界のことをやったんですよ。次はこの大学でできる最大のことをして、去ろうじゃないかと。 次で高原からは出て、その次は外で。この前初めて東京で東京の劇団の芝居を見て、「「福袋」の芝居は通用する!」って本気で思ったんで、東京に持ってこうかと思っています。 僕も卒業したら東京に行きますし、「福袋」のみんなも東京に行くんじゃないかな。東京で舞台活動を中心にしながら生きていけたらと思っています。で、京都に帰ってきたときには、京都公演はここ(高原)でやろうか、と。

映画学科はどうでしたか?

僕はすごく来て良かったです。人にも恵まれたし、「黄金花」にも出させてもらったりだとか、すごくいい経験をさせてもらいました。こうして毎月舞台やらせてもらってるのも、すごく恵まれてるし。

「映画学科」で「舞台」をやってて、最初はいかがなものかって感じだった先生たちも、最終的には評価してくれて、海象さんも舞台(劇団姫オペラ)を始めたり、何か先陣を切れたんじゃないかと思っています。

─「黄金花はどうでしたか?

3回見たんですけど、最初はストーリーを追ってしまって「なんだこの映画は」って感じだったんですけど、見れば見るほど面白くなって、2回目、3回目では、ひとつひとつの画(え)が格好いいなって感動しました。 自分の演技を映像で見るのにも段々慣れてきて、でも、やっぱりお客さんに見られるのは緊張しますね。

舞台と映画ではどちらが面白い?

どうかなあ…いやあ、もう、全く違ってて、どっちも面白いです。 やっぱり舞台なのかな。舞台はライブだから何が起きるか分からないし、ドキドキ感っていうか、反応が生で返ってきて、めちゃくちゃ緊張しますけど、むちゃくちゃ楽しいし…いや、どっちも面白いです。

最後に、レジェンド・オブ・企画の見所をお願いします。

映画学科初の、1回生から4回生の全学年が入ってる舞台です。 違うレベルのやつらが、全員でスクラムを組んでいるパワーを見ていただきたいです。 稽古で毎日毎日見ていても、毎回毎回笑って泣けます。映画学科で一二を争う面白い舞台が出来ます。お楽しみに!!

(2010年7月20日 高原校舎Aスタジオにて 聞き手/編集:池内) ※劇団にんげん福袋  本学科俳優コース1期生(現4回生)有志を中心に  結成された劇団。澤井くんが座長を務める。  劇団にんげん福袋 ホームページ

http://ningenhukubukuro.web.fc2.com/

レジェンド・オブ・企画 VOL.2ゴジラ」 作・大橋泰彦 演出・水上竜士

8月7日(土)13:00~/18:00~ 8日8日(日)13:00~

京都造形芸術大学 高原校舎Aスタジオ

詳細はこちらでご確認ください。

http://www.eiga-gakka.org/blog/?p=5258

Filed under: インタビュー,学生活躍中,学生紹介 — 映画学科 8:25 PM

2009 年 10 月 9 日

残るということ

海象 この前の「黄金花」を原田芳雄さんに見てもらって、とてもよかったと言ってもらった。全員プロじゃない現場っていう、普通の劇場映画では滅多にない状況が良かったんじゃないかと。それから、すごく澤井のことを褒めてたね。嬉しいじゃんね。

山本 多分、うまいとかそういうことじゃないんでしょうね。

海象 また違う刺激があってよかったって。(松田)美由紀ちゃんも言ってましたね。

山本 「MADE IN JAPAN」も来年春秋座で1000人を前にお披露目になって(来年の京造映画祭で上映予定)、その後、いくつかの映画館でかかることになりますよね。

海象 DVD化もされるわけですよ。学内にいながらデビューしたことになるわけ。

でも僕らはそのために無理矢理映画を撮ってるわけじゃないんですね。それだと面白い映画になんないじゃん。 我々もプロの認識において三人を選んだ、伴明さんも選んだと思うんですよね。それはプロフェッショナルのオーディションと変わらない状態だよね。 そのなかで三人が選ばれたのは嬉しいなと思ったし、それが残ることも嬉しいなと思うよね。

関屋 自分の演技が残るっていうのは嬉しいんですけど、お客さんの反応はあまり意識してなかったです。確かにスクリーンに自分が写ってるっていうのを想像はしたんですけど、うーん…お客さんのことまでほんとにもう考えられなくなりました。

海象 そこまで余裕ないもんな。そこは正直な話だと思うんだよね。それは一生懸命であったってことだと思うけど。

山本 これからこれが一人歩きするんだよね。

関屋 今までの学生映画とは違うお客さんが見ると思うし、その反応は聞きたいとは思ってるんですけど、やっぱり怖いという気持ちもあります。

海象 そりゃそうだよ。一般のお客さんが一番怖いんだぜ。

学生たちも今一生懸命撮ってるし見せているけども、やっぱり学生映画って限りがあるじゃん。一般の映画っていうのは、その限りがないんだよね。どこまでもたくさんのお客さんが見ていくってことだから、未来にずっとつながっていく可能性が大きいじゃん。関屋を見ていいなって思う人がいるかもしれない。キャスティングしようかなとかさ。学生映画よりその確率が高いよな。

山本 大西はどう?

大西 …怖いです。オープンキャンパスのときに写真を貼られただけでもビクビクしていたんで。大スクリーンに自分が映る…自分のなかで映画は見るものだったので、「なんで自分が映ってるの?」って怖さはあります。

それと、人の目をすごく気にするので、きっとビクビクしながら今後歩んでいくんだなって。 …でも、そこはもう、始まっているので。

海象 そうだよね。もう戻れない、受け入れるしかないし、それはいいことなんだよ。 学内だってキャスティングされない子や小さい役になっちゃう子もいるし、もっと大きな普通のオーディションになったらほとんど落ちるんだから。選ばれたっていうのは、選ばれなかったってこととは大きく違うんだよね。その代わり、大西が言ったように、選ばれた以上は背負うものが多いし、選ばれなきゃ良かったって思うくらいの感じになるかもしれない。戻れないんだからね。

山本 奈月子なんかはもう三年生だよね。焦りがどんどん大きくなってくなかで、待望の出演だったんじゃないの?

伊藤 はい、年を重ねることに充実していく大学生活というか。

海象 今回ははっきり分かる大きい役だから、「あの役の」って言えるじゃん。俳優ってやっぱり映ったり見てもらったりしないと分かんないじゃん。「映った」っていうのは良かったなって思うんですよね。この映画が出来たことの大きな意義っていうかね。 三人もまだ自分では分かんないだろうけど、映画をやったっていうことで、またステップが上がると思うんだよね。

山本 俳優コースはどんどんいい感じになってきてるのかな。色々発表の場が増えてるよね。あと、自主的な動きも。

伊藤 いい感じですね。チャンスが増えてきたというか、参加できる場が増えてきてます。

山本 場が増えてきたってことはさ、それだけ、だらーっとしてるとばっと差が開くってこわさもあるよね。

海象 俳優ってそういうもんだからね。全員俳優になる可能性はすごく高いんだけど、全員はならないと。

必ずどこからかは競争原理が働く世界だから、人を押しのけてまでなれとは思わないけど、持続できる精神力みたいなものがすごく大事。 何となくはなれないからね、何事もね。

山本 (映画学科に入って)ただいいとこだけじゃなくて、すごくシビアなところもありますよね。

一般に公開される映画なわけだから、かわいそうだなってだけで役を与えるわけにいかないじゃない。編集で自分の出番が短くなっちゃうようなやつだっているわけだよ。そういうもんなんだよ映画って。 そういうシビアさも含めてこっちは手加減してないっていうかね。

海象 僕が編集すると相当切っちゃいますよね。映画っていいとこだけしか残しちゃいけないんだから。それが映画のためなんだ。 だから芝居が悪いとどんどん出番が少なくなるのは当たり前のことなんだよ。なくなっちゃうとかさ。 ワンカット出るのも長く出るのも、場面数が違うだけで同じなんだよね。ワンカットだからと思ってると「なくてもいいじゃん、パチン」ってそのカットは残らない。だから実はワンカット出るほうが難しいよね。

これまで/これから
そして映画学科をを目指そうと思ってる人へ

伊藤 一年生のころは特に何もすることなく過ぎてしまって、これじゃまずいと思って二年生になってから劇団を立ち上げて、黄金花もオーディションを受けて、小さな役でしたけど出演をして、卒業制作にも声がかかるようになって出て、でもまだ足りないって思い続けてやっています。そういう気持ちをずっと持っていくことはプレッシャーでもあるんですけど、それがないとやっていけないと思っています。精神力と体力が必要ですね。

大西 選択がふたつあるとしたら、キツいほうを選ぼうと思っています。朝起きて授業に行くのか寝続けるのか、そういう簡単なことからキツいほうを選んでいくと、絶対にいいことあるような気がしていて、それを続けて行くだけだと思っています。

関屋 大きい目標のために、小さい目標をどれだけ刻めるかを意識してやりたいと思っています。

海象さんに本をいっぱい読めってずっと言われていて、それは実行しています。この大学は色んな他の学科から意識させられるし勉強になるので、ここに来てほんとに良かったと思ってます。 いいポジションになれるか、持っていけるかは自分次第だから、入る前と入ってからの努力が大事だと思います。

海象 映画学科の先生、怖くないよね。怖いって噂が流れてるらしいんだけど(笑)

一同(うなずく)

海象 入試もオーディションみたいなものだから、難しいものではないしね。もし選ばれなくてもダメなわけじゃなくて、それは何か相性のようなものだから。

先生も怖くありません(笑)高校生の皆さん、是非来てください。

大西 映画が好きなら、この学科に入っとけばいいですよ!こんなドストライクなところ、他にないと思います。映画にも出られます!

関屋 怖くありません!!

2009年9月29日 高原校舎Bスタジオにて (編集:池内)

特集!映画学科の俳優たち(1)

特集!映画学科の俳優たち(2)
特集!映画学科の俳優たち(3) Filed under: インタビュー,北白川派2009,学生活躍中,学生紹介 — 映画学科 1:10 AM

2009 年 10 月 6 日

「MADE IN JAPAN〜こらッ!〜」に出演して(3)
─ 関屋和希

関屋和希(以下、関屋) 結構なめてた部分が多くて、いつも学生映画で出るときと同じ感じでやろうと、普段学生映画に出るノリでやったのが失敗だったなっていうのを感じました。

海象 「黄金花」のときは澤井(澤井克幸/本学科俳優コース3年生。昨年「黄金花」に出演)が原田芳雄さんとやったわけじゃん。

すごい一生懸命で、ファーストカット撮り終えたとき、澤井の手は震えてたからね。 うまい演技をしてたからそういう風には全然見えなかったけど、やっぱりそれぐらい緊張するもんなんだよ。演じる方もそうだし、撮る方もそうだよね。 関屋はそれをはずして(笑)自然な芝居をしよう、みたいな感じだったの?

関屋 そうですね…でも、相手がプロの方だから、こっちが思ってるのと演技がもう全然違うんですよ。自分のものがなかなか出せなくて。

海象 自分のものって何だよ(笑)

関屋 自分が考えてる演技ってあるじゃないですか。

海象 考えるからいけないんだよね。演技とは考えるものじゃないんだよ。

山本 大西とか奈月子の何が良かったかって、考えてる演技ではなかったところだよね。

海象 それは日頃から深く考えてるから出来るんですね。

山本 ふたりも色々考えたと思うんだけど、よーいスタートがかかったときに、多分「考えて」はいないですよ。そうい感じに見えたから良かったなって思ったよね。

関屋はどうなんだよ(笑)

関屋 スタートがかかってからは何も考えてはいないんですけど、ただその前にあまり整理がつかなくて、なかなか掴めないまま流れてったってのが正直なところです。

失敗する夢を見たりしてヤバかったです。現場終わって、そんな大きな失敗はなかったんですけど。

海象 全部失敗してたからね。

関屋 まあ失敗…失敗してたんですかね(苦笑)

海象 全部失敗だよね(笑)

ただ、関屋のいいところは度胸があるってことだよね。度胸と、かたくならないってところが良かったんだと思うんだよね。だから伴明さんの眼鏡にかなったと思うけど、やっぱり掴まないまま終わったような芝居だったね。 映画ってすごい怖いだんよ、全部残るから。

関屋 怖い…ですね。

(「MADE IN JAPAN〜こらッ!〜」より)

関屋和希(せきや かずき) 1889年生まれ、福岡県出身。本学科俳優コース2年生。 「MADE IN JAPAN〜こらッ!〜」では、雛子の母が通う松井家の長男、健一を演じる。 海象ゼミで短編劇映画を制作中。

(4に続きます)

特集!映画学科の俳優たち(1)

特集!映画学科の俳優たち(2)
Filed under: インタビュー,北白川派2009,学生活躍中,学生紹介 — 映画学科 3:27 AM

2009 年 10 月 3 日

「MADE IN JAPAN〜こらッ!〜」に出演して(2)
─ 伊藤菜月子

伊藤菜月子(以下、伊藤) まだ映画に出たという実感はないんですけど、俳優だけじゃなくスタッフとしても関わって、みんなで作りあげていく面白さをすごく感じました。舞台を作っていくことと映画を作っていくことの違いも感じて、色々発見もありました。

海象 当然オーディションでは主役を狙ってたわけじゃん。主役じゃなかったときどんな気分だった?

伊藤 やっぱりすっごいくやしかったです。

でも、主役狙いで力を入れてやってから、珠子(主役の友人)役のほうは力を抜いて自然に、無理しないで出来たと思います。そういうのもあって珠子に選ばれたのかなって思いました。

海象 なんで大西が、みたいな気持ちは?

山本 それは思うよな。

伊藤 (笑)それはないです。

大西ちゃんは他の人と雰囲気や感性がちょっと違うように感じてて、見てて面白かったし、刺激になるところはいっぱいあったので、くやしかったのはくやしかったですけど、勉強になりましたね。

海象 珠子、良かったと思いますよね。映画ってそういうことが起こるのね。もちろん演技力は大事だけど、その役に一番近く見えるかっていう、そこも大事。

奈月子の珠子はすごい良かったと思う。珠子っていうキャラクターに見えたしね。

(「MADE IN JAPAN〜こらッ!〜」より)

伊藤菜月子(いとう なつこ) 1988年生まれ、神奈川県出身。 本学科俳優コース3年生。

「MADE IN JAPAN〜こらッ!〜」では、雛子の友人、珠子を好演。昨年度北白川派作品「黄金花」にも「どくだみ女」として出演、松坂慶子さんの付き人も務めた。

東ゼミ(ドキュメンタリー/2年生)の今年度前期では、彼女のドキュメンタリー「NATSUKO」を撮影。 また、福岡ゼミ(短編劇映画制作/3年生)で制作中の「無花果のはらわた」でも、大西礼芳と姉妹役で共演を予定している。

俳優コース同期生を中心に劇団にんげん福袋を立ち上げるなど、積極的に活動中。

(3に続きます)

特集!映画学科の俳優たち(1)

Filed under: インタビュー,北白川派2009,学生活躍中,学生紹介 — 映画学科 1:35 AM

2009 年 10 月 2 日

このブログでも何度か紹介してきました、本学科3大プロジェクトのひとつ「北白川派映画芸術運動」。劇場公開映画をプロと本学科生が共同で製作するプロジェクトです。 今年度作品の高橋伴明監督「MADE IN JAPAN〜こらッ!〜」では、俳優の松原智恵子さん、松田美由紀さん、山路和弘さん、浅見れいなさんを迎え、8月に撮影が行われました(来年公開予定)。 プロの俳優と共に劇場公開映画に出演するというビックチャンス。今年そのチャンスを掴んだ、本学科俳優コースの大西礼芳さん、伊藤菜月子さん、関屋和希くんにお話を聞きました。聞き手は、海象先生、山本先生。 4回に分けてご紹介します。

(左から、伊藤菜月子、大西礼芳、関屋和希)

「MADE IN JAPAN〜こらッ!〜」に出演して(1)
─ 大西礼芳

大西礼芳(以下、大西) ついていくしかない、という気持ちで、ほんとにがむしゃらに駆け抜けた8月だったと思います。

海象先生(以下、海象) 大西は(映画学科に)入るまで演技経験がなかったじゃん?三ヶ月くらいの訓練のまま、すぐにオーディションで受かって主役に抜擢されて、どんな感じだったの?

大西 なぜ選ばれたのかよく分かっていないっていうのがあります。だから、選ばれた直後、パニクってしまって皆さんの前で泣いてしまったんですけど、もう選ばれたんだから恥ずかしい演技はしたくないし、恥ずかしい演技をしたら他の役者さんにも失礼だし、自分なりに一生懸命やったつもりでいます。

海象 映画を一ヶ月くらいやってみてどうだった?

大西 楽しかったです。

海象 楽しかった。実際にプロの俳優たちとやってみて、どういう感じでした?

大西 やっぱり違うんだな、と感じました。

海象 どこが違った?

大西 撮り終わった映像を見せてもらって、残像に残す力っていうのが、私にはなくて、あの人たちにはある力だと思いました。

なんでこんなに画面に印象づける力があるんだろうって思って、これから学んでいかなくちゃいけないことだと思いました。

(「MADE IN JAPAN〜こらッ!〜」より)

大西礼芳(おおにし あやか) 1990年生まれ、三重県出身。本学科俳優コース1年生。 「MADE IN JAPAN〜こらッ!」では、祖母の死によって壊れていく一家の娘、雛子を演じる。 福岡ゼミ(中編劇映画制作/3年生)で制作中の「無花果のはらわた」でも、伊藤菜月子と姉妹役で共演予定。

(2に続きます)

Filed under: インタビュー,北白川派2009,学生活躍中,学生紹介 — 映画学科 2:26 AM